否定文の already
■否定文の already
Q
You only started this job an hour ago; surely you ( ) already?
(1) finished
(2) have finished
(3) haven’t been finished
(4) haven’t finished
選択問題で、答えは4番でした。私は「もう終わったの?」の意味で2番だと思いました。
onlyの訳し方に問題があるのでしょうか。
ずっと考えてまして・・分かりません。宜しくお願い致します(T_T)!
A
オッハー
前半部分で、You only started this job an hour ago「あなたはほんの1時間前にこの仕事を始めたばかりだ」とあるので、「だから~」と続く文には、「だからまだ終わってないですよね」と来るのが自然ではないでしょうか?
ただ気になるのは、否定文では普通 already は使いません。
not ~ yet 「まだ~していない」が正しい用法だと思います。
RE
Emanonさん
オッハーさんの,already は普通否定文では使われない,というのは,一般論としてまったくその通りで,まずはそのように覚えておくべきなのですが,これには例外があります。詳しくは辞書などを見ていただくとして,already は,否定・疑問の文脈で,「驚き・意外」を表します。
それから,今回の問題で haven’t finished という否定形がふさわしいとされるのは,surely の存在が大きいと思われます。
以下,Swan の “Practical English Usage”(以下 “PEU”=原書/翻訳版区別せず)の内容をふまえて説明しますが,この本には今回の質問とちょっと似た形の,
> ‘I’m going to marry Sandra.’ ‘Surely she’s married already?’
「僕サンドラと結婚するんだ」「確か彼女はもう結婚しているんじゃないかね」
という例が挙げられています。
これは「サンドラは独身だ」という相手の思い込みに対して,「まさかそんなはずはない,サンドラは既婚者だよ」という話者の確信の表明になっているのではないかと思います。(surely は,このように,ある意見などをふまえて,それと対立する考えを述べようとするときに普通使われるそうです。)
これにならって問題の英文の( )が have finished の場合を考えてみると,「君はこの仕事を始めてほんの1時間しかたっていないので,当然完了していないはずだ」という思い込みに対して,「まさかそんなはずはない,君はこの仕事を終えているよ」というニュアンスの内容が続くことになります。
これは,「自分の子供がほんの数分前に家を出て学校に向かった。まだ学校に到着しているはずがない。」と言った人が,その舌の根も乾かぬうちに,「まさかそんなはずはない,もうとっくに着いているはずだ」と言うのと似ています。状況が同じ,判断する人も同じだというのに,180度異なる内容が述べられるわけですから,何か特殊な文脈(たとえば話者が精神的に不安定etc)を設定しないと,このような言い方は不自然になるのではないでしょうか。
以上は「surely +肯定文」の場合ですが,PEU では,「surely + 否定」の形を別に取り上げて,「信じがたい」を表すと説明しています。例は:
> Surely you’re not going out in that hat?
「まさか,そんな帽子をかぶって出掛けるんじゃあるまいね」
この場合,相手は実際不似合いな(?)帽子をかぶって出かけようとしています。それが話者には信じられないというわけです。
このことをふまえて,問題の英文の答えが haven’t finished の場合を考えてみると,
You only started this job an hour ago; surely you haven’t finished already?
は,「仕事はまだ終わっていないはずだ」という含みのある前文に続いて,「まさか(=surely)もう(=already)終わってるんじゃあるまいね」ということになります。「始めたばかりの仕事なのに,もう終わっているようだ。これは驚いた(信じられない)」といった感じがこの場合表されます。「もう終わったの?(信じられない)」と言ってもほとんど同じかも知れません。
この後者のほうがより自然なので,「surely + 否定」の形を正解とするのではないかと思います。
RE
回答ありがとうございました!
否定文のalreadyの感覚がつかめました。
surely も私は「きっと~」と捕らえていたのですが、「まさか~」と考えれば後につながります。
現在携帯メルマガ「最強の英文法」を発行して、毎日文法問題を配信しています。
→ 「最強の英文法」無料メルマガ
携帯サイト「最強の英文法」も運営していますので興味がある方は見て下さいね。
→ 「最強の英文法」サイト