節にしたときに would は必要か?
■節にしたときに would は必要か?
Q
kanaさん
問題集に、Nobody dreamed of there being such a beautiful lake there. は、Nobody dreamed that there would be such a beautiful lake there.と言い換えられると書いてありましたが、二つめの文のwouldは、willが時制の一致でwouldになっているのでしょうか?この場合のdream は、否定文とともに用いて、「夢にも思わない」という意味ですよね?
A
Emanonさん
kana さん,
never dreamed (that) … would …(that以下を夢にも思わない)
の would は,時制の一致で would になっていると考えてよい思います。
ネット上の “John Grisham Interview” (http://www.achievement.org/autodoc/page/gri0int-1) からの例ですが,
> I never dreamed of being a writer when I was a kid, even a
> student, even in college.
(…のとき作家になるとは夢にも思わなかった)
というのは,書き換えると:
I never dreamed (that) I would be a writer …
と同じことであり,また,Cobuild を参考にすると,
I didn’t think that I would be a writer …
の強調的表現でと言えます。さらに,これを発話時点で考えれば,
I don’t think that I will be a writer …
とできるはずです。
今回の英文の would も,基本的にはこれと同じように考えてよいのではないかと思います。
RE
kanaさん
ありがとうございます。このwillは推量の意味ととって良いのでしょうか?
RE Emanonさん
> willは推量の意味ととって良いのでしょうか?
I never dreamed (that) I would be a writer …
の場合の would (will) は,明らかに「未来」の意味です。もとになっている
1) I will be a writer.
の意味は,普通 “I will become a writer.” (私は将来作家になるだろう)と同じです。
もし「推測」の意味だとすると,「私はきっと作家です」という意味になります。(このとき will は must に置き換わってもほとんど意味は変わりません。つまり,”I must be a writer.” と同じです。)しかし,自分が何者かわからないということはないでしょうから,この場合意味としておかしいでしょう。
しかし,ご質問の,
> Nobody dreamed that there would be such a beautiful lake there.
のもとにある:
2) There will be a beautiful lake there.
を同じ様に考えると,これまたおかしなことになります。
「作家になるという未来」が考えられるのは,「現在作家ではない」からです。「湖になるという未来」があるのなら,「現在湖は今存在しない」はずです。
kana さんの「推量の意味ととって良いのでしょうか」は,おそらくこういうことを考えた疑問だと思います。
しかし,never dreamed (that) A would … という表現が,ある場合は「未来」で,ある場合は「推測」といったようにコロコロ変わるということはないのではないでしょうか。ある程度決まった表現のようですから,would の意味も固定されたものとして考えるべきだと思います。(以下,このタイプの表現の will は基本的に「未来」だというスタンスでのコメントです。)
では,2) の場合,どう考えたらよいのかというと,これは「未来」といっても,”I will be a writer.” のような普通の未来ではなく,ちょっと特殊なものだと思われます。それは例えば次のようなケースを考えてみてください。
3) If/when you go there, there will be such a beautiful lake.
「そこに行くと,とても美しい湖があるだろう」
このとき,will は「そこに行けば(行くと)」という条件に対応した,仮想的な未来を表しています。この if/when you go there を there 1語で代用させて後ろに置けば,形は 2) と同じになります。
つまり,2) は 3) と同等だと考えると,一応 1) と同様「未来」の範疇として説明できる。
*以上,参考書を調べてわかるような事柄ではなかったので,ほとんどが私見です。実は,用例を調べていくうちに,問題の英文が非常にまれな形のようだ,ということや,何でも would を用いて書き換えができるということでもなさそうだ,ということが見えてきました。この点,また別にコメントさせていただこうと思います。
ところで,kana さん,さしつかえなければ,この問題の出典を教えていただけますか?
RE
kanaさん
教えていただき、ありがとうございました。「未来」として考えればよいのですね。問題はコピーでいただいたものなので、出典はわかりません。
RE Emanonさん
> Nobody dreamed that there would be such a beautiful lake there.
は,間違いかも知れません。調べみてその可能性が高いと感じました。以下説明です。
never dreamed (that) … 型の表現に次のようなものがあります。
> We never dreamed the movie was so long.
「映画がこんなに長いとは思ってもみなかった」
(『英語基本動詞辞典』)
この用例では would が使われていません。
他の would be を用いた例文をいろいろ見てみると,would be が「~ようになる」といった「変化する事柄」「出来事」の意味なのですが,この場合は「出来事」でもなく「変化」もありません。
映画の長さは,観客(We)の立場からすると一定のものです。長さが変わることはありません。ですから,いつの間にか「(未来時において)映画の長さが長くなっている」などということは考えられない。
となると,この点が was が選ばれている理由だと考えてよいでしょう。
では,would be を使った:
We never dreamed the movie WOULD BE so long.
はダメなのかというと,次のように考えれば可能だと思われます。
和訳の「映画がこんなに長くなろうとは思ってもみなかった」からしても想像できると思いますが,この We が観客ではなく,「映画の製作者」だとします。すると,制作・編集段階で様々なシーンを盛り込むことになり,予定よりも映画の長さが長くなるのは避けられないという状況が想像できるのではないでしょうか。そうなると「映画の長さが長くなるという未来」は十分可能になってくると思います。
このような考察から,
「未来」の出来事を「思ってもみなかった事柄」としてとらえるとき,つまり「~に_なる_とは思ってもみなかった」という場合は that 節の be 動詞は would be の形。
一方,
「変わらない現実や事実」を「思ってもみなかったこと」としてとらえるとき,つまり「~_だ_とは思ってもみなかった」という場合は,that 節の be 動詞は was などの単純過去,
という,意味に応じた使い分けがあるのではないか,と私は考えました。
この考えの「正しさ」についてある程度の確信を得たのは,次の検索結果を見てのことです。(Google, English)
”never dreamed * existed” …1,260,000 件
”never dreamed * would exist” … …9 件
exist は,「現実の存在,実在」を意味する言葉です。ですから,これが will とペアになって,「(今は存在しないが将来)存在するようになる」のような事柄は表せないはずです。それがこのような極端な頻度の差として現れている。
“There + BE動詞” について言えば,これが exist と同じ「存在」を意味するのであれば,”There is a place.”(ある場所が現実に存在する)とは言えても,*”There will be a place.”(ある場所が存在するようになる)とは言ないということです。言えるとしたら,今現実にはない場所が(将来)出現するという文脈が必要です。
今回の書き換え問題の場合,such a beautiful lake は実際にある湖のことです。それを “there will/would be such a beautiful lake.” としたのでは,今現在,現実に存在せず,将来出現する湖ということになってしまうでしょう。ここはやはり,
Nobody dreamed that there _WAS_ such a beautiful lake there.
と,was を用いるのが適切なのではないかと思います。
また,would が「推測」なる可能性も,上の検索結果は否定していると思います。「存在しているはずだ」の意味で理屈としては十分可能なはずですが,数字には全く現れていません。
RE
kanaさん
いろいろ調べていただき、ありがとうございました。
現在携帯メルマガ「最強の英文法」を発行して、毎日文法問題を配信しています。
→ 「最強の英文法」無料メルマガ
携帯サイト「最強の英文法」も運営していますので興味がある方は見て下さいね。
→ 「最強の英文法」サイト