ある程度英文法の知識が身に付いたら、どんどん英文を読みましょう。
英文法の知識を利用して、英文を速く正確に読めるようになるコツをお伝えします。
私が教えた数多くの生徒さん全員が、テストの得点を上げることができた読み方です。
ポイント(重要点)は、全部で20個あります。
常にこれら20個を意識しながら、英文を読んでみて下さい。
近年、英語のテストは大学入試共通テストを初め、英検や TOEIC などもますます長文化する傾向があります。
大学入試共通テストを例に挙げても、2021年度のテストに比べて2022年度のテストでは、約500語も語数が増加しています。
これに対処するためには、英文を速く正確に読む技術が不可欠なのです。
※ ただし、注意点があります。速読のために不可欠なものは、語彙力です。 語彙力(単熟語の知識)無くして速読は不可能です。
ときどき「英単語は暗記するな」とか「英単語の暗記は不要」などと言う人がいます。 そういう言葉で「情報弱者」を惹きつけるのは詐欺だと思ってよいでしょう。 何か高額なものを売りつけようとしているのではないかと疑うのが正しい考えです。 冷静に考えれば小学生でもわかることですから。 例えば、ポルトガル語の単語を知らない人がポルトガル語のテストを受けて正しい答えが出せますか? 単語を知らないのに、解けるわけがありません。 まぐれ当たりでは合格はできません。
もちろん、効率のよい単熟語の覚え方というのはあります。 そういった効率の良い学習法を追求しましょう。 いずれにせよ、 英単熟語の暗記を習慣化して、テストによく出る単熟語をできるだけ数多く覚える必要があります!
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英文解釈・速読のコツ
20のポイント
ポイント1
副詞、形容詞、前置詞のついた名詞は、主語になれない。
まずは、文の中心となる主語と動詞を見つけることが重要です。
単独の副詞はもちろん、副詞句や副詞節は全て修飾語(句)になり、主語にはなりません。
形容詞も補語になるものを除けば、形容詞句や形容詞節も全て修飾語です。主語になることはありません。
ポイント2
主語になるのは、名詞要素のみである。
最初に出てきた名詞、代名詞(名詞相当語句)は、主語になる。
名詞要素とか名詞相当語句と言うのは、動名詞(~すること)とか to不定詞(~すること)、what (S) + V ~(~すること)、that S +V ~(~すること)などの名詞句や名詞節のことを言います。
とにかく最初に出てきた名詞、代名詞は「~は(が)」と訳す。
ポイント3
主語の直後に動詞が来るとは限らない。
後置の形容詞(句、節)や同格の語句が付くことが多い。
「~は、 …だが、 ~する」という風に前から後ろへ(左から右へ)と訳す。
「…する~は ~する」という後ろから前に戻るような訳をしない。
ポイント4
,(コンマ)、-(ダッシュ)、:(コロン)、;(セミコロン)には、要注意。
同格「つまり~」、挿入「それは~なのだが」を考える。
それぞれの記号には細かな違いがあるのだが、あまり気にせず、前から後ろへと訳すことに集中する。
ポイント5
and, but, or は、語と語や文と文をつなぐ。
対(セット)になる表現を探し出すこと。
and, but, or の直後をチェックする。
and, but, or の直後の語をチェックして、それが形容詞であれば形容詞を、名詞であれば名詞をその直前の文から探し出し、何と何がセットになっているのかを常に考える癖を付けておく。
もちろん、語句と語句や文と文がセットになっていることもあるので、対等のものを見つけ出すこと。
ポイント6
冠詞、代名詞などの所有格の後には必ず名詞が出て来る。
その間にある語句は後の名詞を修飾する。
名詞が出てくるまで読み進めよう。
a とか the とか my とか his などがあれば、必ず名詞が後に出てくるはずだと考えて訳をすること。
もちろん、the + 形容詞など、形容詞で終わってしまうような例外があるのは言うまでもない。
ポイント7
名詞の後の S+V は関係代名詞の省略を考える。
V の後に目的語を持たない他動詞か前置詞がある。
非常に多い形で、常に主語と動詞を意識し、動詞が出てきたら次に「~を」と考える癖を付けておくと、この形にすぐに気付けるようになる。
「~を」が無ければ、ほとんどがこの形だ。
ポイント8
接続詞によって支配された部分は、それだけを取り出すと、完全な文になる。
接続詞がどこまで支配するのかを見極める。
完全な文というのは、SV, SVC, SVO … などのきちんとした文型を形成している文のことを言う。
接続詞がどこまで支配しているのかは、,(コンマ)で示されていることが多い。
接続詞で支配されている文をひとまとめにして理解することが重要である。
一語、一語訳すのではなく、語句や文を一つの単位でとらえて、それらの関係性を読み取ること。
ポイント9
(接続詞)+ M + ( S+V ) の文では、M は必ず後の動詞にかかる。
M とは、modifire(修飾語)のことである。
接続詞の後の M を前の文を修飾するようには、訳さないこと。
ポイント10
SVOC の O と C の間には、主語と述語の関係がある。
主語と述語ではない。主語と述語の関係性があるので、それを読み取るということである。
O が~するのか、O が~しているのか、O が~されるのかを正確に読み取ること。
ポイント11
形容詞、分詞が名詞を修飾するときは、名詞と形容詞、名詞と分詞の間に主語と述語の関係が存在する。
名詞が~である、名詞が~している、名詞が~されるという関係性を意識して、正確に読み取る癖を付けておく。
ポイント12
it を見たら、後に to不定詞か that節を探す。
形式主語、強調構文の it を考える。
速読の際には、it はとりあえず「それは」と訳して後に読み進めるが、常にこの it が何を指すのかを考える。
もちろん、前に出てきた語句を指して「それは」と言っている場合もあるのは言うまでもない。
ポイント13
for ~ to - には主語と述語の関係がある。「~は-する」と訳す。
これを理解して前から後ろへと訳せば間違いなく速く読める。
「-することは~にとって…だ」という後ろから前に戻る訳し方は速読には不要だ。
リスニングにも不要。
できるだけ前から後ろに訳すことに徹すること。
ポイント14
目的を表す to不定詞は、結果を表す to不定詞のように訳す。
もちろんこれは、目的を表す to不定詞であることが分かった上で使うコツである。
わけもわからず、結果のように訳せというのではない。
「~は-するために…した」と後ろから前に訳すのではなく「~は…して-した」と前から後ろへと訳せと言うことである。
リスニングも同様に、必ず前から後ろへと情報を頭に入れて行く。
ポイント15
関係代名詞があるときは、先行詞を後ろの文に代入して訳して行く。
「~するところの-は」という訳はやめる。
「-、彼は~だが…」、「-、それは~だが…」と、必ず前から後ろへと訳す。
ポイント16
関係代名詞から離れた所にある先行詞を見落とすな。
先行詞の直後に関係詞が来るわけではない。
先行詞と関係詞の間に修飾語が割り込んでいるときがある。
関係詞節が何を修飾しているのかを読み誤らないこと。
ポイント17
副詞(句)が文頭に来て、倒置を起こすことがある。
常に主語と述語動詞を探す習慣が身に付けば、おかしな文にはすぐに気付くはずだ。
主語がないと思ったら、倒置か省略を考える。
また、分詞構文などの修飾語かもしれない。
ポイント18
無生物主語は副詞句(修飾語)のように訳してみる。
無生物(人以外のもの)が主語になっていると、「無生物が人に~させる」とか「無生物が人を~にする」などという訳になることがある。
速読の場合はそれでスルーして読み進めても問題ない。
ただし、日本語らしくしたいのであれば「無生物のせいで人は~した」とか「無生物のおかげで人は~できた」といった目的語を主語にするような訳をしてみると良い。
ポイント19
名詞と動詞が同形、過去と過去分詞が同形の動詞に注意。
主語と動詞を探す癖が身に付くと、動詞が見つからないときがある。
その場合、名詞と思われるものが動詞である場合が多い。
また、名詞の後に、 -ed で終わる動詞や不規則動詞でも過去と過去分詞が同形の動詞が来ることがある。
それらの動詞の後に目的語が無ければ、ほとんどが過去分詞で、前の名詞を修飾している。「~された名詞」と訳す。
もちろん動詞が自動詞の場合は、「名詞は~した」と訳すのは言うまでもない。
ポイント20
一つのこと(もの)を、いろんな言い換えをして表現していること(バリエーション)に注目しよう。
英語の表現は、何度も何度も同じ言葉を使うのよりは、同じものを違った表現で言い表す方がより良いと考えられているようだ。
日本語もそうなのかもしれないが。
だから、知らない言葉が出てきても、文を読み進めると「ああ、これのことを言っていたのか」とその正体がわかることがよくある。
知らない語句の意味を文脈などから推測するのも重要だ。
以上の20のポイントに従って英文を読めば、間違いなく英文を速く読めるようになります。
ただし、要点を述べたものなので、何のことを言っているのかさっぱりわからないという人がいるはずです。
それは、重々承知しております。
今後、具体例を挙げて少しずつ説明して行こうと思います。
まとめ
(誤解があることを承知の上で、英文速読・即解のコツをお伝えします)
1.英文を速く正確に読むことに徹すること。
2.英文には大別すると2種類しかない。
「~は-です」と「~は-する・・・を」
つまり、be 動詞を使った文か、一般動詞を使った文なので、まずはどちらかで、書いてある通りに訳す。
3.頭から後ろへ(左から右へ)語句のまとまりをとらえながら訳して行く。
4.見たら訳す、見たら訳すを繰り返し、見終わったと同時に訳が終わることを目指す。
5.同時通訳をするようなイメージで、前から後ろへと訳し、後ろから前に戻らない。
今後、具体的な例文を通して詳しくお伝えして行く予定です。
🐻 こんな風に訳してみようという例題